学術雑誌にJIF(ジャーナル・インパクト・ファクター)を付けている Clarivate社が、来年からWeb of Science Core Collectionに収録されている全ての雑誌にJIFを付与するという決定を下しました。ニュース・リリースはここから見れます。

経済学の関連でいえば、すでに付与されていた SSCI(Social Science Citation Index)収録雑誌に加えて、ESCI(Emerging Sources Citation Index)の収録誌にも付与されることになりますね。

有名どころでは環境系トップ誌であるJAEREがようやく2020年にESCIからSSCIに昇格しましたが、膨大な論文が出版可能なOA誌に比べて、年間の論文収録数の少ない伝統的な形態の雑誌ほど上がりづらいというようなことがあったんじゃないかと個人的には思っています。後は、僕らが大学院生のころ若手の登竜門的存在だった Economics Bulletin も ESCI ですね。今後はESCIでもJIFが付くということですので、SSCIとの差がよくわからなくなりそうではありますが。

逆に、懸念としては、ハゲタカ・ジャーナルおよび準ハゲタカ・ジャーナルにもJIFが付くので、それらがより判別しにくくなりそうではありますね。投稿・特集号の依頼や査読依頼も頻繁に来ますが、研究者自身で自己防衛する必要性がますます高まりそうです。

神戸大学GSICS・准教授
伊藤高弘